オイゲン ヨッフム指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
[EMI (輸入盤) 5 72661 2]

 ヨッフム・ドレスデンの全集は発売当時話題になって、いろんな雑誌や新聞で推薦盤になっていた記憶があります。しかし、今まで4,7,8を聴いた感想では私の好みではないのが多かったと思います。それで今まで聴くのを延ばしていたのですが、やはり一度は通らないといけない道でしょう。国内版は発売されていない様でしたので、たまたま石丸電気にあった輸入盤です。
 まずぶっ飛んだのが、第一楽章第一主題の金管のffの部分の変なクレッシェンド。直前の弦をまねているのでしょうが、スコアをみるかぎりmfで始まるところは<>が付いてffでは付かないという法則があるようですから、ここは変にやりすぎない方が良いと思います。以後、同じテーマが出てくると繰り返し同じ様なクレッシェンドを入れており(4楽章でも)、あきらかに他の指揮者の解釈(と私の好み)とは異なっています。
 あと、全体的に金管が荒い。アインザッツが合わなかったり、音がとぎれとぎれになったり、というのが結構目立ちます。特に、バストロンボーンに問題あり。重要なフレーズを吹いている場合が多くて、目立たせたいのはわかるのですが、一人全体のバランスを崩して目立ちすぎ。それで上手ければまた良いのでしょうが、音は割るは、ぶつぶつとぎれるは。一般的にお年をめされると高音域が聞こえにくくなる場合が多く、カール・ベームなどは晩年ピッコロを特に強く吹かせようとした(オケは練習では言うことをきいておいて、本番では自分で調整した)ということを読んだことがあり、なるほどと思ったのですが、ヨッフムは逆だったのでしょうか...。
 NOVI推薦のアムステルダム・コンセルトヘボウ版も手に入ったので、そちらもまた後日レポートします。

 ところで15年位前からだったでしょうか?、NHKはヨッフムからヨーフムに読みを代えて、”原語の発音に近くするため”と説明していましたがどんなもんでしょうかね〜。この間も何かの番組で”ヨーフム”さんと言っていましたが......ちなみにつづりは"JOCHUM"。