クラウディオ アバド指揮 ウイーンフィルハーモニー
[グラモフォン POCG-1943]→なんと製造中止!!(9/20の掲示板、冨岡くんからの情報)

 とにかくすばらしい演奏です。アバドがウイーンフィルの魅力を存分に引き出した名演と言えるでしょう。これからCDを購入する方は是非これを買って下さい。ライブ録音なのに、演奏に全くといっていいほど傷がないというのも驚きです(バーンスタインのベートーベン全集のように、リハーサルの録音を使って一部編集しているのかもしれません)。
 最初、部分的に「ちょっと速いんでは?」と感じる部分もあったのですが、聴きこんでくるとそれもまた「メリハリが効いた」に感想が変わってしまいました。
 ブルックナーでは長大なクレッシェンドや音量の急激な変化が魅力の一つですが、この演奏ではこの点でも十分に満足できます。特にフォルテは十分に大きいのに「うるさくない!!」。インバルの演奏と聴き比べると、「うるさくない」というのが如何にこの演奏を魅力的にしているか実感できると思います。
 特にお勧めの場所は2楽章−練習番号Gの5小節目アウフタクトからの4小節間。弦(とファゴット)がメインの場所で、各小節の「アウフタクト」をじっくりルバートしながら盛り上げていくところなんぞ、もう涙が出てきそうです。
 本当は★5つにしたかったのですが、テンポ(特に2楽章)が山岡先生のイメージ(や私の好み)より速めに感じられましたので、これから演奏するための参考としてはその点に注意が必要、ということで★半分だけ減点しました。